阪神の大ワイン祭2012年5月で学んだ、二つピノ・ノワールとは?

阪神の大ワイン祭2012年5月

 

先週末まで行われていた阪神・大ワイン祭で、ピノ・ノワールのセミナーに参加しました。

セミナーと言っても、試飲販売イベントで行われた無料のもの。だから、至って素人相手のセミナーです。

ほとんど知っていることだったのですが、面白い分類がなされていたので、ここで紹介しておきたいと思います。その分類とは、

  1. 赤い果実系→軽い味わいのお肉料理・お魚料理に合う
  2. 黒い果実系→濃い目のお肉料理に合う。(照り焼きなど)

です。

 

1は、主にブルゴーニュのピノ・ノワール。

ピノ・ノワール特有の繊細さ・か細さがその特徴です。

一方2は、ニューワールドのピノ・ノワール。

もちろんカベルネ・ソーヴィニヨンよりも繊細なのですが、1の赤い果実系のピノ・ノワールよりも太さがあります。コクですね。

 

ブルゴーニュとニューワールドのピノ・ノワールの違いは、これまでなんとなくわかっていたのですが、こういう分類をすることは全く知りませんでしたし、思いもつきませんでした。

もちろん、ニューワールドと言っても多くの国があるのですが、2の黒い果実系は比較的温度の高い地域(チリなど)のようです。

 

ちなみに私が最近好んで飲むニューワールドのピノ・ノワールは、ニュージーランドオーストラリアです。特に理由はありません。

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阪急オアシスで発見した国産ワインコーナーの問題点とは?


先日行った阪急オアシス御影店のワイン売り場に、頭をかしげたくなる表示がありました。それは、国産ワインコーナーにて。

 

そのワイン売り場のプレイスカード(値段や商品説明が書かれてあるカード)には、産地の国旗マークが記されてあります。そして、国産ワインコーナーには、日本の国旗が入ったプライスカードが並びます。

 

パッと見ると、日の丸印のプライスカードが多いので、国産ワインの品揃えも多いかと思いきや、じっくりみるとそうではありませんでした。その理由は、

 

輸入ぶどう果汁使用のワインにも、日の丸印の入ったプライスカードが付けられていた

 

からです。

 

国産ワイン=日本で醸造したワイン、と考えれば、特に問題はありません。輸入ぶどう果汁を日本で醸造しているからです。例えば、アサヒビールが販売する「酸化防止剤無添加有機ワイン」(阪急オアシスで販売されていたかどうかは不明)は、次のようにされています。

 

「酸化防止剤無添加有機ワイン」の原料は、南米・北米から輸入した濃縮果汁を使用して、日本のサントネージュワインで醸造しております。現在は、アルゼンチン、アメリカ、チリの輸入ぶどう果汁を原料としております。(アサヒお客様相談室のページより。

 

ただ、一般的にワインの産地と言えば、

ワインの産地=ぶどうの栽培地(ウィキペディア参照

です。ウィキペディアによると、これに反するのは先進国のうち日本だけみたいです。ちなみに、国産ワインというのは、

国産ワイン→国内で製造したワイン、国内で製造したワインに輸入ワインをブレンドしたワイン(WANDS『19年ぶりに改正された「国産ワインの表示基準」』より

だそうです。つまり、日本で栽培したぶどうを一部でも使えば、国産ワインと表示できることになります。(ただし、輸入果汁を使ったワインはその旨を表示する必要があります。)

 

ちなみに、先程紹介したアサヒの「酸化防止剤無添加有機ワイン」は、国産ぶどうを使っていないので国産ワインと言うことはできません。

 

阪急オアシスでどのような輸入ぶどう果汁使用ワインが販売されていたかは覚えていませんが、大手ビールメーカーまたはその子会社の商品だったかと思います。そこで、各社の輸入ぶどう果汁使用ワインについて、国産ぶどうを使っているかどうか調べてみました。

 

 

つまり、

酒造メーカー大手4社が作る酸化防腐剤無添加ワイン≠国産ワイン

になります。だから、国産ワインとして日の丸印を付けて販売するのは、間違いだと思います。(上記4商品はあくまで代表商品として調べただけで、阪急オアシスで販売されていたわけではありません。)

 

私がここまで、

輸入ぶどう果汁使用ワインと国産ワインかのように表示して販売することにこだわる

のは、

 

普段ワインを飲まないワイン初心者が、

価格の低さや酸化防止剤無添加表示に惹かれて、輸入ぶどう果汁使用ワインを購入する

→美味しく感じない

→「国産ワイン=美味しくない」と誤解する

→今後ワインを購入する時は、国産ワインを避けて外国産ワインを購入する

 

にならないかと、心配するからです。これでは、高品質な本物(?)の純国産ワイン(国産ぶどう100%使用のワイン)が、売れなくなってしまいます。まじめに栽培・醸造している作り手が、かわいそうに思えます。

 

ちなみに、私がイチオシする日本のワイナリーは、カタシモワイナリーさん丹波ワインさんです。特に、カタシモワイナリーさんは、見学に行ってオーナー直々の話を聞きながら試飲したので、飲むたびにオーナーさんのワインへの思いを感じてしまいます。

 

誤解のないように言うと、決して輸入ぶどう果汁使用のワインを否定しているわけではありません。価格が低いのだから、普段飲みのデイリーワインとして飲むのはアリだと思います。また、大手メーカーが開発しているだけあって、品質も向上していることと思います。(スイマセン、まだ飲んだことがありません。)ただ、問題なのは表示。売り場であたかも国産ワインかのようには販売されるのは、問題でしょう。大手4社のサイトを見ても、「輸入ぶどう果汁使用」の文字はどこにもありません。(メルシャンの「おいしい酸化防止剤無添加赤ワイン」には、「無添加カテゴリー国内ワイン売上シェアNo1ブランド」という文字まで踊っています。厳密には「国内ワイン」は「国産ワイン」ではないので、表示上問題ないのかもしれないですが・・・)

 

何はともあれ、消費者には正しい情報、誤解を与えない情報を提供してほしいものです。そうでないと、ワインは消費者からソッポを向かれるようになるかもしれません。

 

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オーストラリアの大雨被害、ワインに与える影響はどれほどに?

オーストラリアのぶどう園

 By John_Brennan

オーストラリアの新聞・ブリスベンタイムズ電子版に、ワイン用ぶどうの2012年収穫に関する記事がありました。

 

この記事を読んで初めて知ったのですが、オーストラリアは今年2月・3月、大雨被害にあったようです。floodingとあるので、洪水も起こったようです。(サイトには、大雨の様子を伝える画像があります。)ぶどう栽培には、冬季から春にかけて雨が降り、生育期間は日射が多い地域が適しているとされているので、この大雨はぶどうに悪い影響を与えます。(オーストラリアの2月・3月は夏~秋に当たります。)

 

しかし、記事によると、75%の収穫はすでに終わっていたので、それほど大きな悪影響はないとのこと。ちなみに、

  • 西オーストラリア州→乾燥、病害なし
  • 南オーストラリア州→直近4年間で一番の収穫量・一番の品質
  • ニューサウスウェールズ州とビクトリア州→大雨の被害

オーストラリアの地図By color line

 

だったようです。特に被害が多かったのは、ニューサウスウェールズ州のリヴァリーナ、ハンター・ヴァレー、中央部(マジー・オレンジ・コウラ)。ニューサウスウェールズ州は、全豪ワイン生産量の27%しか生産していないのですが、リヴァリーナは全国15%の産地(ほとんどはバルクワインに使用)だけに、収穫が終わっていて本当に良かったと思います。

 

実は、オーストラリアワインで一番有名なブランドイエローテイルは、ニューサウスウェールズ州を本拠地にするカセラワインズが生産しています。となると、この水害の影響を被ることになるのですが、80%のぶどうはすでに収穫済で、また他州のぶどうも多く利用するので、特に大きな影響はないようです。

 

この水害、オーストラリアのワイン業界にはプラスの要因もあるそうです。それは、ぶどうの供給過剰が緩和されるということ。ワイン用ぶどう生産者協会の予測によると、今年の収穫は約140万トンで、昨年の156万トンよりも大きく減るそうです。これにより、ぶどう価格の上昇が見込まれ、これまで低価格に悩まされていたぶどう生産者にとっては、不幸中の幸いです。ただし、オーストラリアでのぶどうの供給過剰問題は、季節的な要因だけでは解決できないそうです。

 

そして、ワイン好きが気になるのは、2012年のぶどうの出来。水害の影響もあって収穫量は少ないですが、品質は高いとのこと。特に、白ワイン用ぶどうの出来がいいみたいです。先ほどの州別のぶどう収穫から考えると、2012年ヴィンテージでは南オーストラリア州の白ワインがいいかもしれません。オーストラリアワインはあまり長期熟成せずに、フレッシュな状態で飲むことが多いので、5月頃から手に入るかもしれないですね。

※参考にしたサイト オーストラリア・検索エンジンリンク集のオーストラリアワイン

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アジアで唯一の女性マスターオブワインが薦めるのは、中国料理とドイツワインの組み合わせ。

中国料理とワイン

By benchilada

 

ハフィントン・ポストの記事から。

中国料理とワインというのは、なかなか考えにくい組み合わせですが、ニューヨークにこのマリアージュの楽しめる中国料理レストランがあるようです。

 

このレストランでソムリエをするのが、ジャニー・チョ・リー( Jeannie Cho Lee)さん。レストランの名前は、ブッダカン(Buddakan)で、高級モダン中国料理レストランです。いわゆる、高級店ですね。

 

リーさんのスゴイのは、アジアで唯一の女性マスターオブワインということ。これまで、アジアのホテルやレストランを20年間もコンサルとして支援したり、イギリスのワイン雑誌デキャンタ(Decanter)でワインと食事の組み合わせの連載を持ったり、世界で一番のサービスというシンガポール航空でワインのコンサルタントとして働いて来ました。実名ともに、スゴイ人なんですね。

その彼女が、中国料理にドイツワインを選んだ理由は、

ドイツワインは、繊細な中国料理を引き立てるバランスを持っている

から。

 

ちなみに、マリアージュとして、

  • 甘みのある料理→ドイツの辛口リースリング(白ワイン)
  • 塩気と旨みの効いた料理(北京ダッグや生姜の入ったヌードルスープ)→ドイツのピノ・ノワール(赤ワイン)

が薦められています。「リースリングは甘い」と一般的には考えられているようですが、実際にはドイツリースリングの大部分は辛口。これは意外でした。

 

記事の中で特に取り上げられているのが、ドイツのピノ・ノワール。ピノ・ノワールと言えば、ブルゴーニュですが、ブルゴーニュよりもドイツのピノ・ノワールの方が中国料理に合うようです。

というのも、ブルゴーニュはドイツよりも温かいため、風味が豊かになることが多いから。逆に、風味の弱すぎるブルゴーニュもあり、それではパンチが弱すぎるようです。つまり、ドイツのピノ・ノワールは、バランスが良く、中国料理に合うということになります。

 

ちなみに、ドイツ以外で中国料理に合うピノ・ノワールとして、ニュージーランドが薦められています。特に、オタゴ地区の中央部・カンタベリー地区(クライストチャーチのある所)・マールボロ地区です。

 

記事取り上げられていた銘柄は以下の通り。

  • Erdener Treppchen Riesling Kabinett 2004(エルデナー・トレプフェン・リースリング・カビネット 2004)→甘みのある中国料理にぴったりの辛口リースリング
  • Rebholz Muschelkalk Spätburgunder  2004(レプホルツ ムシャルカルツ シュペートブルグンダー 2004)→旨みのあるスープにぴったりのピノ・ノワール
  • Friedrich Becker Pinot Noir Kammerberg 2008,(フリードリッヒ・ベッカー・ピノ・ノワール・カマーベルグ)→北京ダッグに合うピノ・ノワール

ちなみに、ピノ・ノワールはドイツ語でSpätburgunder(シュペートブルグンダー)と呼ばれます。

※リンク先は、楽天のサイトです。

 

中国料理とドイツワイン(特に辛口リースリングとピノ・ノワール)を組み合わせてみてはどうですか?
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2011年ボルドーワインがディスカウントされる理由とは?

久しぶりの投稿です。お待たせしました。

ウォール・ストリート・ジャーナルからワインの記事を見つけたので、紹介します。

 

ボルドーワインのプレムールの季節到来ですが、その価格の異変が起こるようです。その異変とは、

値下がりしそう

というもの。

 

ただ、安くなるのではないですよ。過去2年あまりにも高い価格で取引されたので、その価格が是正される程度のようです。5大シャトーの卸値が600ユーロ/本もしたのですから、下がってもおかしくありません。5大シャトーの場合、50%(!)も値下げを要望されているようです。これはスゴイ!

この価格破壊が、他のシャトーへも波及するのでしょうか。欧州債務危機による欧州景気低迷を考えると、ボルドー地域のワイナリーが輸出で売りを稼ごうしてもおかしくありません。ということは、そこそこ下がるのでしょうか。

 

ユーロ安も加えると、2011年産のボルドー・ワインはより手頃な価格になるかもしれないですね。

※「ボルドー プリムール」で検索すると、本場ボルドーの方(もちろん日本人)が書かれたブログを発見しました。ご参考にどうぞ。
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レディ・ガガとワインの関係

エンターテイメントサイトNDTV MOVIESによると、レディ・ガガはワインにとっても興味があるようです。将来、彼氏と一緒にワインを作りたいほど。先日、ワインの産地・ソノマヴェレーで、友人にそう話したと、伝えられています。

 

実は、ガガはワインだけでなく、かなりの食通でもある模様。ツアーのない時期は、自分で腕を振るうぐらい。自分で作った料理と赤ワインを友人に振るまい、友人との関係を深めるようです。

 

ガガが特に好きなのが、赤ワイン。銘柄やぶどうの種類はこの記事には書かれていないですが、とてつもなく赤ワインが好きなのは事実。友人と一晩で、6・7本は空けるようです。

きっとソノマヴァレーの赤が好きなのでしょうね。

 

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ブランドワインは信頼が置ける。

久しぶりの更新で恐縮です。

 

先週末に飲んだワインが、こちらのムートンカデルージュ。ただし、2009年。コストコでクーポンが出ていたので、買った赤ワインです。

 

安かったので、それなりかと思いきや、美味しかったですよ。コクがあるし、渋みがあるし。

 

ただ、考えてみれば、そりゃそうです。なんせ、ムートン・ロートシルトが作ったワインなんですから。しかし、セカンドはありません。作ったというよりも、監修という方が正確かもしれません。ロートシルトのブランドが付いたワインだけはあります。

 

改めて、ワインにもブランドってあるんだなぁ、と思いました。そして、今後1000円前後の低価格ワインでも、有名醸造家が監修したワインが出てくるのではないでしょうか。特に、スーパーなどの量販店ルートでは。対面で説明できない欠点をブランドで補う、という手法が増えるかもしれません。少しぐらい高くても、ブランドが付いていれば、安心して購入できます。特に、ワインの場合、銘柄が星の数ほどあり、さらに容量が多いのでハズレを買うと大変な目に合います。量販店で、ブランドワインが増えれば、ワインを安心して飲めるようになるのではないでしょうか。

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大量生産型ワインの受賞歴はあてに出来るのか?

 アスダのワイン売り場By Laura Mary

 

イギリスの一般紙・テレグラフ電子版(The Telegraph)に、ワインの品質のブレに関する記事がありました。

 

品質のブレというだけあって、開栓したワインの劣化のことではありません。同じ銘柄・同じヴィンテージでも、味が異なるという意味。

 

このようなブレは、大量生産型のワインでよく起こるようです。大量生産型のワインとは、スーパーやコンビニで売っているような大手酒造メーカーや小売店オリジナルのワイン。記事では、その例として、ストアブランドの

アスダ コルビエール2009(Asda Corbieres 2009)

ウェイトローズクレット(Waitrose claret)

が挙げられていました。両商品とも、大手小売企業アスダ・ウェイトローズのPBワインです。大量生産型ワインは、大量に販売しなくてはならず、また低コスト生産が可能とあって、低価格で販売されていることがほとんどです。

 

この大量生産型低価格ワインに関して、

練習の足りないマラソン選手みたい

と表現されています。つまり、ボトル詰めされてから、どんどん劣化が進むということ。(マラソン選手も、スタート時は元気ですが、走る距離が長くなるにつれて速度が遅くなります。)翌年のぶどうを使った製品が出来上がるまで、ボトルの状態では美味しく飲めないそうです。しかも、劣化するのではなく、ボトルの状態で味が向上するワインもあるそうです。

 

また、大量生産型ワインのほとんどは、ぶどうをブレンドしたワインです。ブレンド時にもブレが発生しないわけではないですが、微調整可能です。しかし、ブレンドしたワインは、ボトル詰めされてからの品質の変化が、大きいようです。

 

 

そう考えると、

大量生産型ワインのコンテスト受賞歴は、それほどあてにならない。

ということになるのではないでしょうか?特に、コンテスト出品時は、ボトル詰め前の出来たてを使うようです。ということは、例え受賞歴のあるワインでも、ボトル詰めされ店頭に並んだ時には、すでに受賞に値するほどの品質を備えているかどうかは、かなり疑問。

 

これは、大量生産型ワインだけではなく、ブレンドしたワインにも言えることかもしれません。まぁ、受賞したから美味しい=自分の口に合う、とは限りませんが。

 

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アメリカのぶどう不足は、アメリカワインにどのような影響を与えるのか?

 By sandy kemsley

 

サンフランクロニクル(San Francisco Chronicle)のSFゲート(SF Gate)に、カリフォルニアワインに関する記事がありました。

 

その記事によると、

 

2011年産のアメリカ産ぶどうの供給量が2010年よりも10%以上少ない

 

とのこと。これが、ぶどう価格高騰につながり、ワイン醸造企業にとっては、コストアップ要因になります。コストアップ分をワイン価格に転嫁できればいいのですが、景気が不透明な経済状況ではそれも難しいようです。特に、低価格ワインを作る企業にとっては、ぶどう価格高騰が利益を圧迫するだろうと、記事に書かれてあります。

 

では、なぜぶどう供給量が減ったのか?その理由は、ワイン価格が大きく影響しているようです。2008年の景気後退以降、アメリカでは低価格ワインの需要が伸びており、それに伴いぶどう価格も下落し、ぶどうが利益を産まない農作物に成り下がっています。そのため、多くのぶどう園が、ぶどうよりも儲かる作物に切り替えた結果、今年のぶどう不足が起きました。また、アメリカのワイン消費が、ここ17年間増加している一方で、ぶどう栽培面積はそれほど変わらず、慢性的なぶどう不足を招いているようです。

 

ならば、アメリカワインの価格が上がってもいいものですが、そう単純ではありません。それは、輸入の格安ワインがあるからです。海外の格安ワインの存在が、アメリカ産ぶどう価格を抑えている、と記事では述べられています。

 

一方で、為替の影響もあります。ドル安のため、輸入ワインの価格は上昇傾向。低価格志向を強めた消費者が、価格の上がった輸入ワインよりも、低価格アメリカ産ワインを選好しているようです。

 

ということは、経済学的に考えると、アメリカ産低価格ワインの価格は、輸入格安ワインの価格に近づくのでは、ないでしょうか。ワインの原材料であるぶどう価格も上がったのだから、消費者が購入する限度まで、アメリカ産ワインの価格が上がってもおかしくありません。とはいっても、恐らく、南アフリカあたりの超格安ワインが登場して、そう簡単にアメリカ産ワインの価格が上がるとは思いませんが。

 

日本への影響も考えてみました。考えられるのは、アメリカ産ぶどうのコストが上がったのだから、アメリカ産ワインの価格が上昇すること。ただし、円高傾向の為替が影響するので、結局日本でのアメリカ産ワインの価格もそう変わらないのではないでしょうか。

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ボストンで始まった新型ワイン会、楽しめて学べる仕掛けとは?

by Dale Cruse

 

ハフィントン・ポストに面白いワイン会の記事がありました。

 

そのワイン会とは、ワインライオット(Wine Riot)と言います。日本語に訳すと、「ワインの暴動」となるのでしょうか。

 

このワイン会の特徴は、

初心者でも気兼ねなく質問できる

ということのようです。ワイン会というと、ワイン好きが集まる会なので、ついつい専門用語が飛び交ってしまいます。その中で、基本的なことを質問するのはとても勇気のいること。その何気ない質問を出来る雰囲気を、ワインライオットは作っています。

 

さらに、ワインライオットの創始者であるモーガン・ファースト(Mogan First)さんとタイラー・バリエット(Tyler Balliet)さんは、従来のワイン会に欠けているものに気づきました。

それは、

 

ワイン醸造家とワイン消費者との交流。

 

日本でもワイン会で話を聞けるのは、せいぜいインポーター止まり。日本のワイナリーが試飲していれば、ワイナリーの方から話を聞けますが、日本のワイナリーが参加するワイン会は少ないように思えます。(あくまで、私の経験ですが。数多くのインポーターやワイナリーが参加するワインイベントでは、日本のワイナリーとの出会いもあります。)

 

そこで、ワインライオットは、ワイン会というよりもワインパーティーのような雰囲気のもと、ワイン初心者でもワイナリーに気さくに話ができる環境を提供しています。

 

だからといって、ワインライオットはワインを飲んで終わりというパーティーではありません。れっきとしたワイン会であり、ワインの知識を増やしたい人が参加しています。そこで、楽しい雰囲気の中、ワインライオットで飲んだワインを記録できる仕組みを提供しています。その仕組みとは、

セカンドグラス(The Second Glass)というスマートフォンアプリ。

 

ワインライオットは、最初30人以下のワイン会でしたが、あまりにも人気が出たため、今では大勢の方が参加し、各地にキャラバンまで行うイベントに成長しました。その人混みの中で、飲んだワインをノートに記録するのは至難の業。そこで、ワインライオットは、自分が飲んで気に入った(または気に入らなかった)ワインを記録・共有できるスマートフォンアプリを開発し、スマートフォンがあれば指一つで記録できるようにしました。このアイデアはすごい。

 

日本でもワインライオットのイベントないかなぁ。同じような初心者でも楽しめるワイン会でも大賛成です。

 

ワインライオットのサイトを見ると、ワイン会というよりもワインイベント。

ベイシェラトン神戸のワインフェスティバルに近いように思えました。

こちらには、ワインライオットのビデオもありますよ。

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