ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?

 ©2008-2009 by Will Murray (“Willscrlt“) willmurray.name/

 

ワインスペクテイターに、ワインの価格に関する記事を見つけました。そのタイトルは、

Why I No Longer Buy Expensive Wine

日本語に訳すと、「なぜ私は価格の高いワインを買わないのか?」となります。

 

記事の筆者は、マットクレイマー(Matt Kramer)というワイン評論家。自宅のワインセラーにたんまり貯めた高いワインを、一気に売ったようです。ただし、売った理由はお金に困ったわけではありません。

 

マットが高価格ワインを売りさばいた理由は、

 

高いワインには驚きがないから

 

です。価格の高いワインは、歴史のあるワイナリーのワインであることが多く、ワイン業界でも有名です。だから、そのワインの味が、ある程度想像できるという。特に、ヴィンテージ違いの同銘柄ワインとなると、ぶどうの出来に違いはあるものの、その栽培方法・醸造方法は同じになるので、味に大きな変化はありません。(もちろん、ワイン好きはこの小さな違いを楽しむのですが。)

 

一方、価格がそこそこのワインは、それほど有名でもないので、飲む前に想像がつきにくくい。だから、飲んだ時に、サプライズが起こるのです。

 

マットが、このような考えに至ったのは、オーストラリアでとあるワインに出会ったから。そのワインは、42ドルと決して安いワインではないのですが、その素晴らしい品質を考えると高い価格とも言えません。

 

ただしマットは、価格ではなくまずは品質の高さがサプライズには必要だと述べています。飲んでうまいと感じたら、それほど高くなかった。これが、驚きになるというのです。

 

昔は、良質のワイン=価格が高いという公式が成り立っていたので、ワインに驚きは少なかったようです。しかし今では、世界のワインが手に入るようになったので、掘り出し物を見つける面白さがあります。この面白さこそが、サプライズなのです。

 

私としては、マットの考え方には賛成でもあり反対でもあります。ワインが美味しいかどうかは、価格が決めるのではなく、好みと環境(雰囲気や料理など)が決めるもの。だから、高い有名なワインを飲むよりは、聞いたことないワインを飲んだ方が、サプライズは味わえます。(高い有名なワインを飲んで、意外に大したことがなかったというサプライズもありますが。)

 

ただ、価格の高さは、栽培方法・醸造方法に手間がかかっていることを示し、また伝統が育んだブランドによるもの。有名なワインを飲むことは、単にワインを飲んで酔っ払うのではなく、誰がどこでどのように作ったワインなのかを理解する機会でもあります。生産者のことを知ってワインを飲むと、その歴史も楽しめると思います。また、ヴィンテージの違いを飲み比べるのも、通の楽しみかもしれません。(私はまだしたことがありませんが。)

 

まぁ、給料がなかなか上がらないこのご時世、低価格ワインになびいてしまう気持ちもわかります。(私自身、その傾向が最近強い。)ただ、たまには有名なワインも飲んで、自分のワイン記録をより深いものにしたいですね。

 

ちなみに、マットが飲んでサプライズを感じたワインは、以下の通り。

カレン・マンガン ヴィンヤード2009(Cullen Mangan Vinyard):オーストラリアの赤、マルベック・プチヴェルド・メルローのブレンド

ドメーヌ・ブルーノ・デュフォー・ブルグイユ キュヴェ グランモン2008(Domaine Bruno Dufeu Bourgueil Cuvee Grand Mont2008):フランス・ロワール地方・ブルグイユ村の赤、カベルネ・フラン

トレ・オリア ブリュット(Torre Oria Brut):スペインのカヴァ(スパークリング)、マカベオ100%

 

ブルグイユ村のワインは飲んだことがないので、飲んでみたくなりました。
楽天市場でカレン・マンガンを探す
楽天市場でトレ・オリア ブリュットを探す(2011年9月8日現在、品切れしています。)

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売れている=高品質が成り立たなくなったシャンパン

シャンパン(from flickr)

 

シャンパンに関する記事を、インドのヒンズスタンタイムズ(Hindustan Times)で見付けました。

 

記事によると、シャンパンのアルコールとしての位置づけが大きく変わったようです。これまでは、

洗練されたお上品な飲み物

とされ、大人の飲み物とされていました。それが、今では

楽しいおしゃれな飲み物

となっているようで、若者に人気。

 

この変化により、

 

マスコミで取り上げられる人気のシャンパンは、決して高品質ではない。

 

という事態が起こっているようです。おしゃれな飲み物としてシャンパンを飲んでいるのであって、美味しいから飲んでいるのではないからです。その象徴として、

 

クリスタル(Cristal)とアルマントブリニャック(Armand de Brignac)

 

が紹介されています。

 

クリスタルは、ルイ・ロデレール(Louis Roederer)の作る最高級シャンパン。シャンパン通に人気の白物です。このクリスタルが、ラップ歌手のジェイ・Z(Jay-Z)のプロモーションビデオ(PV)で使用されました。これにより、ナイトクラブでクリスタル人気が沸騰。しかし、クリスタルはそれほど多く生産しないため、商品が不足しました。

 

そこで、ルイ・ロデレールは価格を引き上げたり、醸造数を増やしたりすればいいのですが、どちらの方法も取らず、販売ルートを絞ることに。そう、ナイトクラブで飲めなくなったのです。

 

これにジェイ・Zが反発。クリスタルへのリベンジのために、アルマンドブリニャックをPVで使うようになったのでした。しかも、映像の中で、クリスタルを拒絶しアルマンドブリニャックを飲んでいる姿を見せるなど、クリスタルへの対抗はすさまじかったようです。

その結果、アルマンドブリニャックがナイトクラブで人気が出るようになりました。

 

そこで、この記事の記者は、本場フランスのパリ・プロバンス・シャンパーニュで、アルマンドブリニャックの人気ぶりを調べることに。すると、ソムリエに聞いたところ、ほとんどのソムリエがその存在すら知らないことが、判明しました。シャンパンリストに掲載しているレストランに聞いてみると、

 

つまらないシャンパンだけど、旅行者によく聞かれるから載せているだけ

 

という回答。アルマンドブリニャックが売れているのは、その品質ではなくマーケティングがうまかったからなのです。

 

記事の最後に、こう締めくくっています。

 

シャンパンが品質よりもイメージと一緒に語られる時、違いがわかりやすくなり、売りやすくなる。シャンパン飲む人の多くは、お金持ちだけど舌は肥えているわけではない。

 

シャンパン売り場に行くと、「セレブ御用達」「ハリウッドのパーティーで使われた」など、華やかなフレーズをよく目にします。しかし、この記事のように考えると、

 

華やかなフレーズ=華やかなイメージ≠高品質(美味しい)

 

となるのでしょうか。ちなみに、アルマンドブリニャックの販売ページを見ると、華やかなフレーズ満載でした。
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あなたはどっち、ワイン選びが苦痛は人?それとも楽しい人?

ワイン選びは苦行なのか?(from flickr)

 

英テレグラフ電子版に、消費者のワイン選びに関する興味深い記事がありました。そのタイトルは、

How shops help you to choose wine

イギリスのスーパーは、消費者のワイン選びをより簡単に、より楽しくさせるために、いろいろ工夫しているようです。それは、スーパーでのワイン売上金額が微減しているから。昨年はその前年比で2%減少したようです。

 

記事によると、

75%の消費者は、ワイン選びを苦痛なことと思っている

とのこと。こういう私も、ワインショップの多種多様に並べられた商品から選ぶのが、それほど得意ではありません。買おうと思って行く時は、事前に国とぶどう品種を考えて行くようにしています。いろいろ探すのも一つの楽しみですが、時間を食うのも事実ですから。消費者の大半は、何を探せばいいのか、どこから探し始めたらいいのか、わからないようです。そのため、ワインを飲みたいと思ったものの、選ぶ苦痛に耐えられず結局ビールを買っちゃった、という人もきっと多いことでしょう。

 

この消費者の悩みを解決しようと、スーパーのテスコは立ち上がりました。テスコは消費者調査を行い、ワインを買いに来た顧客を2つのタイプに分類しました。それは、

  1. 助けがほしい顧客=ワイン売場を恐れている。選択肢を狭めてから選びたい。
  2. 自分で探したい顧客=いろいろ探すことに興味があり、ワインの色やぶどう品種、国をもとに探す。これまで飲んだことのないワインや興味をそそるワインとの出会いを求めている。

の2タイプ。これらの顧客に対応しようと、870店のワイン売場を改装しているようです。その改装ポイントは、

  1. 助けが欲しい顧客には、自社ブランドワインへ誘導し、選択肢を狭めている。また、3本セットや「◯◯料理におすすめ」というPOPを設置している。
  2. 自分で探したい顧客には、国別レイアウトでワインを分類。新入荷ワイン・受賞ワイン・マスコミ紹介ワインなどの特別なPOPを付けている

で、2つの顧客タイプがワイン選びが楽しくなるように、工夫しています。ちなみに、以前「◯◯料理におすすめ」POPを自分で探したい顧客に対して利用していたのですが、効果が表れなかったようです。自分で探したい顧客は、ある程度ワインの知識がある消費者だから、料理との相性はある程度自分で判断できるのでしょう。

 

英スーパーのウェイトローズは、自分に合うワインを顧客に知ってもらうために、質問を用意しています。その質問とは、

  1. あなたは、人工甘味料をどの程度好きですか?
  2. あなたは、塩をどの程度好きですか?
  3. あなたは、コーヒーをどのように飲むのが好きですか?

という3問。各問は5択であり、選んだ回答の点数を足した結果から、好きであろうワインを提案しています。ちなみに、

3~4点→甘いワイン(熟してフルーティーなワイン)

5~7点→キリッとしたワイン(軽くてさわやか、アルコール度数があまり高くないワイン)

8~11点→まろやかなワイン(角が取れて風味豊かでフルーティーなワイン、大部分のワインに相当)

12~15点→力強いワイン(色が濃く味わいがはっきりとしたワイン)

が、足し算した点数に対する提案です。

ウェイトローズのワイン選びサイト(英語)はこちら

 

日本のワインショップ・通販サイトを見ると、ほとんどの売場が、

  1. 国別に陳列(リアル店舗)
  2. 国別で選べる(ネット)
  3. ぶどう品種で選べる(ネット)
  4. 予算別で選べる(ネット)
  5. セール品を選べる(ネット)
  6. 格安品を選べる(ネット)

というスタイルを取っています。ワインを選ぶ消費者心理から、この売り場がどのように変わるのか、とても興味深いです。私としては、

  1. 感情による提案(「暑いなぁ」と感じた日の夜に飲むワインなど)
  2. 利用シーンによる提案(ワインを余り飲んだことのない人と飲むワインなど)

があってもいいかなぁ、なんて思いますが。

※楽天市場で「暑い ワイン」で検索するとこんなのが出てきました。

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グルナッシュは、赤ワインの名脇役。

グルナッシュ(from flickr)

アイリッシュタイムズ電子版に、グルナッシュに関する記事がありました。この記事を読むと、普段目立たないグルナッシュの偉大さがよくわかります。

 

グルナッシュは、ワインボトルのラベルに出ることはめったにないですが、ロゼ・赤ワインからフォーティファイドワインまで幅広く使われています。

それは、世界で最も広く栽培されているぶどう品種のひとつだから。高温・乾燥に強い品種のため、世界中で栽培されるのです。

 

もともとの原産国はスペインですが、スペインからフランス、そしてサルディーニャ島まで広がりました。そして、今ではオーストラリアでも栽培されているようです。ちなみに、サルディーニャ島では、カンノナウ(Cannonau)と呼ばれているようです。

 

グルナッシュ単体でワインに使われることは滅多に無く、ほとんどはブレンドされます。ブレンドされることで、グルナッシュがワインの味を整え、早飲みワインが出来上がります。

 

グルナッシュの特徴は、アルコール度数が高く(16%以上)、タンニンは少なめ。スパイシーでフルーティーなワインになります。色が濃く、しっかりしたぶどう品種と混ぜることで、相手のぶどう品種の特徴をソフトにします。

 

グルナッシュのワインと言えば、特別な日というよりは普段用のワインという感じがします。それは、その栽培しやすさにあるようですね。オーストラリアでも、その大量栽培ゆえ比較的安いワインに使われるようです。

 

ぶどう品種について知れば知るほど、ワインの楽しみ方に深みが出てくるように思います。

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ワインと食事の相性、その組み合わせは本当に実用的なのか?

ワインと食事との組み合わせ(from Flickr

 

カナダの新聞オタワシティズン(Ottawa Citizen)に、ワインと食事の組み合わせ(マリアージュ)についての記事がありました。

 

記事によると、

厳密な組み合わせは存在しない。それは単なる一つの勧めに過ぎない。

だそうです。

 

当たり前と言えば当たり前です。好みなんて人ぞれぞれだから。さらには、ワインと食事を取る時の準備の仕方(手際よく準備するかどうかで、食事やワインの温度が変わるから。)や気温、ムードによって、相性の良し悪しは全く異なります。

 

さらに、筆者は、

ワイン雑誌によくあるのだが、食事のレシピとその食事に合うワインが掲載されている。食材の有無や好き嫌いでレシピが若干変わった時、ワインとの相性はどう変わるのか?

と苦言を呈しています。現実には、レシピが少し変わるだけで味が大きく変わることもあるし、逆にほとんど変わらないこともあります。味の変化が、ワインとの相性を変えるように思います。

 

以前、ヤフー知恵袋か何かで、

フォアグラに合うワインを買ったのですが、フォアグラなんて食べることはありません。このワインに合う料理は他にありますか?

という質問を目にしたことがあります。こういう組み合わせってありますよね。普段食べない料理と相性がいいと言われても、実際困ってしまいます。ハレの飲み物としてワインを位置づけたいからでしょうか。そして、できるだけ高い食材を一緒に買ってもらいたい小売店の思惑なのでしょうか。私としては、相性のいい料理と一緒に相性の悪い料理も一緒に教えて欲しいですね。その方が実用的ではないでしょうか。また、合う料理ももっと大雑把(「牛肉を炒めてソースを付けて食べる料理」など)にしたならば、ワインを飲む機会がもっと増えるような気がします。

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「イギリスワイン」という表示がイギリス消費者を不幸にさせる!

英ガーディアン電子版に、イギリスワインについての記事を見付けました。そのタイトルは、

British or English? UK wines confuse consumers

というもの。

「イギリスワイン( British Wine )」という表示が、消費者に誤解を与えているようです。

 

記事によると

「イギリスワイン」という表示を持つワイン=濃縮ぶどう果汁を輸入し、イギリス国内で醸造・瓶詰めしたもの

というワイン。日本でも、メルシャンやアサヒ・サントリーなど大手メーカーの格安ワインが、「イギリスワイン」表示のワインと同じように、輸入ぶどう果汁を利用しています。

 

この「イギリスワイン」表示のワインの売れ行きが、大変好調なようです。昨対比で、数量が30%以上伸び、金額ベースでは45%以上の激増。この驚異的な売れ行きの要因は、税制改正にあるとされます。つまり、競合するワインの税率がアップし、かかくが上昇する一方で、「イギリスワイン」表示のワインは、アルコール度数が低いために、税率は据え置かれ、低価格で販売されています。節約志向を強めた消費者が、この価格差に飛びついたようです。

 

一番売れている銘柄は、シルバーベイポイント(Silver Bay Point)というブランド。昨対比で売上金額が657%も増加。一人勝ちと言っても過言ではないでしょう。

シルバーベイポイントのサイト

※シルバーベイポイントのワインは、楽天では販売されていませんでした。

 

しかしながら、消費者は、

「イギリスワイン」という表示を持つワイン=イギリス産のぶどうを使った国産ワイン

と誤解してしまうんですね。記事でも、イングランド産のワインやウェールズ産のワインの記事を新聞で読んで買いに行ったものの、結局「イギリスワイン」表示のワインを買ってしまい、がっかりする人が多いと、紹介されています。

 

これに業を煮やしたのが、国産のワイン醸造者。イングランドでぶどう栽培・ワイン醸造を行うサム・リンド(Sam Lindo)さんは、

 

「イギリスワイン」表示のワインは、喉が痛くなるほどひどいワイン。

こんなひどいワインと国産ぶどうを使ったワインを混同されるのは、大きな迷惑。

国産のワインは、オーストラリア・南米・カリフォルニア・アフリカ産のワインに劣らない品質なのに。

 

という恨み節いや怒りを露にしています。

 

イギリスのワインなんて、実はこれまで知りませんでした。イングランドやウェールズに、ワイン醸造所があったなんて。その意味では、この記事でイギリスのワイン醸造について学べたのですが、それが輸入濃縮ぶどう果汁を使ったワインと混同されているのは、とても残念。

 

もしかしたら、日本でも、同じように誤解している人が多いのかもしれないですね。輸入した濃縮ぶどう果汁を日本で醸造したワインには、「国産ワイン」という表示がされているようです。(日本ワイナリー協会のサイト)もちろん、輸入ぶどう果汁を使っている場合には、その旨を表示しなければならないのですが、「国産ワイン」という大きな表示を見ただけで、それ以外の小さな表示を見ない人も多いのではないでしょうか。NIKKEIプラスワンのおすすめ国産ワインの記事を見て、輸入ぶどう果汁を使った「国産ワイン」を買ってしまった人も少なからずいるように思います。とても悲しいことですが。
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アジア料理に合うワインとは?

アジア料理(from Mark H. Anbinder

 

ギグハーバー(アメリカ・ワシントン州)のローカルサイトより、アジア料理とワインについての面白い記事を見付けました。

そのタイトルは、

Pairing Wine with Asian Cuisine

で、訳すと、

アジア料理とワインのマリアージュ(相性)

とでもなりましょうか。

 

醤油や生姜などアジア料理に使われる食材は、自己主張が強い。

だからこれまで、カベルネ・ソーヴィニヨンシャルドネなどのワインには合わないとされて来ました。

しかし、食材の組み合わせのルール、特に香辛料の強さと料理の重さを考えれば、相性のワインを見付けられるようです。

 

まずは、香辛料の強さから。

アジア料理には、生姜・にんにく・カレー粉・その他香辛料など、個性が強い調味料が多ので、ワインと一緒に飲むと、ワインの美味しさを圧倒しかねません。

しかし、ハラペーニョとマンゴを合わせたサルサが、香辛料とワインの組み合わせにヒントを与えてくれます。

つまり、

香辛料の強い料理には、フルーティーなワインを合わせる

ということ。
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ジンファンデルが、香辛料の強さをまろやかにしてくれるようです。

間違っても、辛口やタンニンの強いワインを合わせてはいけないようです。(香辛料の強さに火を注ぐようなものだから。)

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次に、料理の重さですが、記事ではベトナム料理のフォーが取り上げられています。

フォーは、どちらかというと軽い料理で、香辛料のフワッとした香りも楽しめます。

このような軽い料理には、イタリアのヴェルメンティーノやオーストリアのグリューナーフェルトリナーが合うようです。

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一方、中国料理の四川風牛肉炒めは、重い料理。

これには、ムールヴェードルかジンファンデルのブレンドが合うという。

ピリッと辛い料理には、ブラックベリーの甘さがぴったりだそうです。
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日本料理では、寿司に合うワインについて言及されていました。

寿司に合うのは、シャンパン、そして日本酒。

日本酒はワインとは違うのですが、一番ぴったり合うからでしょうか、日本酒がここで登場。

特に、冷酒は、刺身からぎょうざ・ローストビーフまで合うようです。

 

ワインの記事なのに、ここまで日本酒が紹介されるのはなぜだろう、と思ったので、記者をみて納得。

日本人の方でした。

 

つまり、

香辛料の強い料理→フルーティーなワイン(リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ジンファンデル)

軽い料理→辛口の白ワイン(ヴェルメンティーノやグリューナーフェルトリナー)

重い料理→フルボディの赤ワイン(ムールヴェードルやジンファンデル)

となるのでしょうか。

 

今回の記事でも、まだ飲んだことのないワインがたっぷり登場しました。

アジア料理を食べる時は、ついついビールばかりになってしまいますが、次はワインにチャレンジしたいです。

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ワインの偏見を捨て去り、トライ・トライ・トライ!

ワインテイスティング(from Flickr

ワインスペクテイター(Wine Spectator)に、ワインの偏見に対する記事を見付けました。

その記事によると、

現在のワインの偏見は、まるで頑固なスポーツファンのようだ!

と記されています。詳しく説明すると、

昔の偏見:地域に対する好き嫌い(例 ヨーロッパワインの方が美味しいよ。)

今の偏見:地区・ぶどう品種に対する好き嫌い(例 カリフォルニアピノ・ノワールはひどい。)

の違い。つまり、より具体的なワインに対する偏見が多くなった傾向にあります。

 

ただ、その好き嫌いは、偏見に過ぎません。だって、ワインは、地区・ぶどう品種以外に

ぶどう栽培方法

ワイン醸造方法

によって、品質が大きく変わるからです。

例えば、同じシャルドネでも、

樽熟成しているシャルドネの白ワイン

樽熟成していないシャルドネの白ワイン

では、全く味わいは異なります。(個人的には、樽熟成している方が好きですが。)

地区+ぶどう品種で一括りにするのは、悪意のある無知(malign ignorance)であると、記事の中で批判されています。

 

さらに、

偏見の対象にされるのは、世界で広く栽培されているぶどう品種であり、希少なぶどう品種はより低い価値に置かれる

という傾向があるので、世界品種を使ったワインがさらに多く市場に出回るというスパイラル的結果を招きます。

ただ、希少品種も地区・栽培方法・ワイン醸造方法によっては、独特の美味しいワインができるのは事実。

ガメイマスカットなどはマイナー品種ですが、そのぶどうを使ったワインで美味しいものは美味しいのです。

 

結局、

自分の歴史の浅い好き嫌いにこだわらず、どんどんトライせよ!(飲んだことのワインを試せ!)

ということになるのかと思います。

そうなると、ワインショップやワイン会での試飲はとてもいい機会ですね。

ただ、その時単に飲むのではなく、少しは記録する必要があるかと思います。

(試飲販売で記録するのは、なかなか難しいですが、携帯やスマートフォンを使えばできないことはないですね。)

 

今回は、記事で紹介されていた希少品種のワインを選んでみました。

(ガメイ・マスカット・ランブルスコ・バコノワールなど)

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ワインを飲む時にしてはいけない5つのこと

アンティチョーク

(from Flickr

ワイン雑誌のFood&Wineより、

5 Ways to Screw Up a Wine Pairing

(直訳すると「ワインの組み合わせを台無しにしてしまう5つの方法」)

という面白い記事がありましたので、紹介したいと思います。

その中では、ワインを飲む時に組み合わせる料理やその他環境でしてはいけないことが5つ紹介されています。それは、

 

  1. アンティチョークと一緒に食べるな。
  2. 赤ワインを温め過ぎたり、白ワインを冷やし過ぎたりするな。
  3. 一流のワインと一流の料理を一緒に飲むな。
  4. 脂身の多い魚料理にタンニンが豊富な赤ワインを合わせるな。
  5. あまり考えすぎるな。

です。

アンティチョークとの相性の悪さは、シナリンというアンティチョークに含まれる要素が問題のようです。どうしても、アンティチョークとワインを飲まなければならないならば、ライトボディでオーク樽で熟成していないオーストリアのグリューナー・フェルトリナー(Grüner Veltliner)がいいようです。

楽天市場でオーストリアのグリューナー・フェルトリナーを探す

 

ワインの温度に関しては、

  • 赤ワインは、飲む前に30分だけ冷蔵庫に入れる。
  • 白ワインは、冷蔵庫から出して数分してから飲む。

のがいいらしいです。

 

ワインと料理は、個性が強い物同士だと相殺されるからでしょう。とびきっりの料理の場合は、そこそこ美味いワインが合うようです。

 

脂身のある料理との相性について、記事では白ワイン、特にミネラル感のある海に近くで採れるぶどうのワインがいいようです。具体的には、スペインのアルバリーニョ(Albarino from Spain), イタリアのヴェルメンティーノ(Vermentino from Italy), チリ太平洋岸のソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc from Chile’s Pacific coast)など。

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ただし、読者の方のコメントを見ると、サーモンとピノ・ノワールとの相性はいいという意見も。ピノはタンニンが少なめなので、合いそうな気がします。

 

まぁ、なんだかんだ言ったって、結局は自分の味覚に合うかどうか。ごたごた考えずに、自分がこれだと思う組み合わせで飲む方が楽しめそうです。ただし、自己責任ですが。

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ドム指数、シャンパン売れ行きと景気の連動性

カナダの民放大手CTVニュースによると、ブリティッシュコロンビアのワインショップでは、現在の不安定な世界の経済情勢により、高価格のシャンパンの売上が落ちているという。同じ現象が、2008年の世界金融危機にも起こった。

 

そこで、高価格シャンパンの代名詞・ドンペリニョンの売れ行きと景気動向の連動性を、ドム指数と呼ぶようになったという。

 

景気の悪化により高価格シャンパンの売れ行きが悪くなる一方で、売上を延ばすのが安いスパークリングやプロセッコ。消費者が価格に敏感になるからだという。

 赤のスパークリングワイン(from Flickr

ビールにも似たようなことが起こる。ただし、ビールの場合は、景気が良ければ売上が伸び、景気が悪化するとより売上が伸びるという。ビールは他のアルコールよりも安いから、不景気の時ほど飲む機会が増えるのだろう。

 

ちなみに、日本ではシャンパンはともかく、スパークリングワインの売れ行きが良さそう。(あくまで感覚。)特に、今年は赤のスパークリングを良く目にします。この現象は、景気と何か関係があるのでしょうか。

 

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