北緯47~52度という冷涼な土地を活かして、フルーティーな白ワインを多く産出。
さわかやかな酸味がドイツワインの魅力ですが、バランスのよい糖度を持ち合わせているのが特徴。
気象条件上、黒ぶどうの栽培は難しく、白ぶどう栽培比率は85%にも登る。
ただし、最近では、優良な赤ワインや辛口白ワイン造りも多い。
【ドイツワインの格付け(クヴァリテーツヴァイン Qualitatswein)】
- QmP(Qualitatswein mit Pradikat):肩書き付き高級ワイン。補糖は認められない。
- QbA(Qualitatswein bestimmter Anbaugebiete):指定地域上質ワイン。ぶどう品種・栽培地域・アルコール度数・補糖・利き酒などの基準を満たしたもの。ラベルに公的検査番号が表示。
【QmPの分類】
収穫時のぶどう果汁の糖度の低い順に、以下のように分類される。
- カビネット(Kabinett):QmPの中で最も糖度の低いワイン。
- シュペトレーゼ(Spatlese):通常の摘みとり時期よりも1週間ほど遅らせた糖度を高めたワイン。
- アウスレーゼ(Auslese):さらによく熟した房だけを選んで収穫したぶどうで造られるワイン。
- ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese):過熟したぶどう、または貴腐ぶどうから造られる甘口ワイン。
- アイスヴァイン(Eiswein):摘みとり時期を極端に遅らせ、氷結したぶどうから作る甘口ワイン。
- トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese):最高級の貴腐ぶどうを用いた甘口ワイン。この「トロッケン」は乾いたという意味で、辛口ではないので注意。
【ドイツの主要ワイン地域】
- アール:ライン川の支流、アール川の渓谷に沿って広がる小さな栽培地域。赤ワインの生産量が多い。
- モーゼル・ザール・ルーヴァー:モーゼル川・ザール川・ルーヴァー川の3つの川の流域に広がるドイツを代表するワイン地域。さわやかな花のような香りと豊かな酸味、軽い甘味が特徴。
- ナーエ・ナーエ川流域と、その支流のアルゼンツ川、グラン川の2つの流域。フレッシュでやや個性的な白ワインを産出。
- ラインヘッセン:全般的にソフトでdelicateなワインが多い。ドイツ最大のワイン生産地域。
- プファルツ:フランスとの国境からドイツワイン街道沿いに南北に広がる。
- ラインガウ:ドイツ最高のワイン産地で、著名な醸造所が集中。リースリング主体に、ミュラー・トゥルガウなどを栽培し、重厚な力強さとエレガントさを兼ね備えた、果実味に飛んだ秀逸な白ワインが造られる。
- フランケン:ライン川の支流、マイン川沿いの町、ビュルツブルク周辺の地域。ぶどう栽培地の中で最も東寄り。フレッシュな酸味が特徴の、引き締まった男性的な辛口ワインが造られる。ボトルの形も特徴的で、ボックスボイテルと呼ばれる羊の皮袋型をしている。
ボックスボイテル(Bocksbeutel)
【ドイツのワイン用語】
- ヴァイスヴァイン(Weiswein):白ワイン
- ロートヴァイン(Rotwein):赤ワイン
- ロゼヴァイン(Rosewein):ロゼ
- トロッケン(Trocken):辛口
- ハルプトロッケン(Halbtrocken):中辛口