地域からぶどう品種へ、世界トレンドに悩むフランスのワイン業界。

The new La Source label

 

フランスの国際ニュースチャンネル・フランス24(France24)オンライン版によると、フランスワイン業界がワインのマーケティング手法で苦悩しているようです。(記事のタイトルは”French wine industry ponders radical shift in marketing strategy”)

 

フランスワインのマーケティングの特徴は、生産地(ボルドーブルゴーニュなど)を前面に押し出すこと。

ワインショップなどで売っているフランス産ワインを見てもらえばわかるのですが、そのラベルには「産地」の表示があれど、「ぶどう品種」は書かれてありません。今でこそ、「ブルゴーニュの赤ワインで使われているぶどう品種=ピノ・ノワール」とわかるのですが、昔(といっても2年ほど前ですが)は店員さんに聞いていました。(今思えば、少し恥ずかしい。)

 

一方、アメリカやオーストラリア・チリなどのニューワールドのワインは、ぶどう品種(カベルネ・ソーヴィニヨンメルローなど)を明記してマーケティングをしています。

 

この違いを

産地=テロワール主義

ぶどう品種=セパージュ主義

とも言う(「葡萄酒の戦略」より)のですが、世界の潮流はセパージュ主義。

つまり、ぶどう品種を明記したワインの方が、売れているのです。実際、60%のワインインポーターは、セパージュ主義を採ったワイン(ぶどう品種をラベルに明記したワイン)の販売量が今後増えると予測しています。

 

また、安くて旨いワインを求める一般的な消費者の多くは、ぶどう品種で選ぶことが多いのも事実。ワインに安さを求めようと思えば、AOCなどの規制の強いフランスよりも、規制に縛られることなく自由にさらに安い労働力を使ってワイン作りができる南米や南アフリカの方が、価格競争力があるのは容易にわかります。これらの国はワイン作りにさほど歴史がないので、ぶどう品種しか選択基準になりえません。(例えば、「南アフリカの◯◯地方で作りました。」と言われても、ピンと来ないので。)

 

フランスワイン業界もこの潮流を取り込もうと、産地よりもぶどう品種で売り込もうという改革を正式に行ったのですが、やはり抵抗があり進んでいないようです。考えて見れば、そうですよね。これまで、「産地」はフランスの強みであったのですから、その強みを捨てることには相当な抵抗があるはず。

 

2008年にはワイン生産量世界第一位の地位をイタリアに明け渡したといえども、世界の主要ワイン輸出国であることには変わりありません。しかも、ワイン生産には長い歴史があり、長年守られたルール(AOCのなどの規制)も存在しています。その”ワイン強国”のフランスが、セパージュ主義という世界のトレンドに合わせることには、強い反発があるのは当然。

 

一消費者として言わせてもらえれば、ラベルにぶどう品種ぐらい書いて欲しいですね。ブルゴーニュの赤ワインならわかるのですが、ボルドーの赤なら想像しなくてはいけません。これは、それほどワインに詳しくない消費者にはきつい。せっかく、高いワインを買って飲むのだから、ぶどう品種を確かめながら飲みたいものです。ワインを飲むの時に、ぶどう品種やその特徴などを確かめることができれば、ワインの楽しみがもっと広がるように思います。

 

とはいいつつ、伝統のあるフランスのテロワール主義を捨て去るのも何か惜しい。テロワール主義で売れれば、万事解決なんですが。

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